古典 《聴覚と視覚の取り合わせ》 仁和の中将のみやすん所の家に歌合せむとてしける時によみける 藤原のちかけ (108) はなのちることやわひしきはるかすみたつたのやまのうくひすのこゑ 花の散ることや侘しき春霞たつ田の山の鶯の声 仁和:光孝天皇の御世の年号。 みやすん所:天皇... 2021.12.21 古典
古典 第九十五段 瑣末なことへの拘り 箱のくりかたに緒を付くる事、いづかたに付け侍るべきぞ」と、ある有職の人に尋ね申し侍りしかば、「軸に付け、表紙に付くる事、両説なれば、いづれも難なし。文の箱は、多くは右に付く。手箱には軸に付くるも常の事なり」と仰せられき。 くりかた:箱のふた... 2021.12.20 古典
古典 《女性らしい歌》 題しらす 典侍洽子朝臣(ないしのすけあまねいこあそん) ちるはなのなくにしとまるものならはわれうくひすにおとらましやは (107) 散る花の泣くにし止まるものならば我鶯に劣らざらましやは 典侍:「内侍(ないし)の司(つかさ)」の女官で、そ... 2021.12.18 古典