2021-12

古典

《遠足気分》

題しらす よみ人しらす こまなめていさみにゆかむふるさとはゆきとのみこそはなはちるらめ (111) 駒並めていざ見に行かむ古里は雪とのみこそ花は散るらめ 「馬を並べて、さあ見に行こう。古里は今頃雪とばかりに花は散っているだろうが・・・。」 ...
古典

第九十八段   戒めの普遍性

尊きひじりの言ひ置きける事を書き付けて、一言芳談とかや名づけたる草紙を見侍りしに、心にあひて覚えし事ども。 一、しやせまし、せずやあらましと思ふ事は、おほやうは、せぬはよきなり。 一、後世を思はん者は、糂汰瓶一つも持つまじきことなり。持経・...
古典

《理屈通りに行かない心》

鶯の花の木にてなくをよめる  みつね しるしなきねをもなくかなうくひすのことしのみちるはなならなくに (110) 験無き音をもなくかな鶯の今年のみこそ花ならなくに 「鶯が桜の木で鳴くのを詠んだ 凡河内躬恒 何の効果も無い声を挙げてまでも鳴く...