古典 第二十二段 尚古趣味 なに事も、古き世のみぞしたはしき。今様は無下にいやしくこそなりゆくめれ、かの木の道のたくみの造れる、うつくしき器物も、古代の姿こそをかしと見ゆれ、文の詞などぞ、昔の反古どもはいみじき。ただ言ふ言葉も口をしうこそなりもてゆくなれ、「いにしへは... 2021.06.16 古典
古典 《春雨に濡れた青柳》 西大寺のほとりの柳をよめる 僧正遍昭 あさみとりいとよりかけてしらつゆをたまにもぬけるはるのやなきか (27) 浅緑糸縒りかけて白露を玉にも抜ける春の柳か 西大寺:朱雀通りの南門の外に建てられた東西の大寺の西の方。 浅緑:薄い緑色。薄緑。... 2021.06.15 古典
古典 第二十一段 自然への思い よろづのことは、月見るにこそ慰むものなれ、ある人の、「月ばかり面白きものはあらじ」と言ひしに、又ひとり、「露こそあはれなれ」と争ひしこそをかしけれ、折にふれば、何かはあはれならざらん。 月・花はさらなり。風のみこそ人に心はつくめれ、岩に砕... 2021.06.14 古典