古典 第十九段 四季への思い ~冬~ さて冬枯の気色こそ秋にはをさをさおとるまじけれ、汀の草に紅葉の散りとどまりて、霜いと白う置ける朝、遣水より烟の立つこそをかしけれ、年の暮れはてて、人ごとに急ぎあへる比ぞ、又なくあはれなる。すさまじきものにして見る人もなき月の、寒けく澄める廿... 2021.06.09 古典
古典 《春はまして況んや》 寛平御時きさいの宮の歌合によめる 源むねゆきの朝臣 ときはなるまつのみとりもはるくれはいまひとしほのいろまさりけり (24) 常磐なる松の緑も春来れば今ひとしほの色まさりけり けり:今まで気づかなかったことに改めて気づき感動する意を表す... 2021.06.08 古典
古典 第十九段 四季への思い ~秋~ 七夕まつるこそなまめかしけれ、やうやう夜寒になるほど、雁鳴きてくるころ、萩の下葉色づくほど、早稲田刈り干すなど、とり集めたることは秋のみぞ多かる。又、野分のあしたこそをかしけれ、言ひつづくれば、みな源氏物語・枕草子などにことふりにたれど、同... 2021.06.07 古典