古典 《技巧と感動》 歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる つらゆき あをやきのいとよりかくるはるしもそみたれてはなのほころひにける (26) 青柳の糸縒りかくる春しもぞ乱れて花の綻びにける 青柳:春の芽吹きから新緑にかけての青々とした柳。 しも:... 2021.06.12 古典
古典 第二十段 自然の移り変わりへの執着 なにがしとかや言ひし世捨人の、「この世のほだし持たらぬ身に、ただ空の名残のみぞ惜しき」と言ひしこそ、誠にさも覚えぬべけれ。 なにがしとかや言ひし:何とかとか言った。「か」は疑問の係助詞。「や」は間投助詞。「し」は経験を表す助動詞「き」の連体... 2021.06.11 古典
古典 《春雨に濡れる野辺の緑》 歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる つらゆき わかせこかころもはるさめふることにのへのみとりそいろまさりける (25) 我が背子が衣はる雨降る毎に野辺の緑ぞ色勝りける 「私の親しい方の衣を張る、そんな春、雨が降る毎に野原の緑... 2021.06.10 古典