2019-07

古典

第六十三段 ~同情は恋か~

昔、世心つける女、いかで心なさけあらむ男にあひ得てしがなと思へど、いひいでむもたよりなさに、まことならぬ夢がたりをす。子三人を呼びて語りけり。ふたりの子は、なさけなくいらへでやみぬ。三郎なりける子なむ、「よき御男ぞいで来む」とあはするに、こ...
古典

第六十二段 ~残酷な仕打ち~

昔、年ごろ訪れざりける女、心かしこくやあらざりけむ、はかなき人の言につきて、人の国なりける人につかはれて、もと見し人の前にいで来て、もの食はせなどしけり。夜さり、「このありつる人たまへ」とあるじにいひければ、おこせたりけり。男、「われをばし...
古典

第六十一段 ~筑紫の女~

昔、男、筑紫までいきたりけるに、「これは、色好むといふすき者」と、すだれのうちなる人のいひけるを、聞きて、 染川を渡らむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ 女、返し、 名にしおはばあだにぞあるべきたはれ島浪のぬれぎぬ着るといふなり  ...