古典 第百五十二段 偽りの反応 西大寺の静然上人、腰かがまり、眉白く、誠に徳たけたる有様にて、内裏へまゐられたりけるを、西園寺の内大臣殿、「あな尊の気色や」とて、信仰の気色ありければ、資朝卿これを見て、「年のよりたるに候」と申されけり。後日に、むく犬のあさましく老いさらぼ... 2022.05.02 古典
古典 《郭公との一体感》 郭公のなきけるをききてよめる みつね ほとときすわれとはなしにうのはなのうきよのなかになきわたるらむ (164) 郭公我とはなしに卯の花の憂き世中になき渡るらむ 「郭公が鳴いたのを聞いて詠んだ 躬恒 郭公は私ではないのに、卯の花が咲く季節... 2022.04.30 古典
古典 第百五十一段 老人の心得 或人のいはく、年五十になるまで上手にいたらざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑わず。衆に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざはやめて、暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗の事に携はりて、... 2022.04.29 古典