古典

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《浪と共に立つ秋》

秋たつ日、うへのをのこともかものかはらにかはせうえうしけるともにまかりてよめる  つらゆき) かはかせのすすしくもあるかうちよするなみとともにやあきはたつらむ (170) 川風の涼しくもあるか打ち寄する浪と共にや秋は立つらむ 「立秋の日、殿...
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第百五十七段   形から入れ

筆をとれば物書かれ、楽器をとれば音をたてんと思ふ。盃をとれば酒を思ひ、賽をとれば攤(だ)打たん事を思ふ。心は必ず事に触れて来たる。かりにも不善の戯れをなすべからず。  あからさまに聖教の一句を見れば、何となく前後の文も見ゆ。卒爾にして多年の...
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古今集 巻四:秋上 《秋は風から》

秋立つ日よめる  藤原敏行朝臣 あききぬとめにはさやかにみえねともかせのおとにそおとろかれぬる (169) 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる 「立秋の日に詠んだ  藤原敏行朝臣 秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風...