古典

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《七夕の不満》

なぬかの日の夜よめる 凡河内みつね としことにあふとはすれとたなはたのぬるよのかすそすくなかりける (179) 年毎に逢ふとはすれど七夕の寝る夜の数ぞ少なかりける 「七日の日の夜に詠んだ  凡河内躬恒 毎年逢いはするけれど、織女の共寝をする...
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第百六十六段  春の日の雪仏

人間の営みあへるわざを見るに、春の日に雪仏を作りて、そのために金銀・珠玉の飾りを営み、堂を建てんとするに似たり。その構へを待ちて、よく安置してんや。人の命ありと見るほども、下より消ゆること、雪のごとくなるうちに、営み待つ事甚だ多し。 「世間...
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《七夕の嘆き》

おなし御時きさいの宮の歌合のうた  藤原おきかせ ちきりけむこころそつらきたなはたのとしにひとたひあふはあふかは (178) 契りけむ心ぞ辛き織女の年に一度逢ふは逢ふかは 「同じ御世に皇后温子様が催された歌合わせの歌  藤原興風 契ったとい...