古典

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《秋の条件》

題しらす よみ人しらす わかかとにいなおほせとりのなくなへにけさふくかせにかりはきにけり (208) 我が門に稲負鳥の鳴くなへに今朝吹く風に雁は来にけり 「我が家の門に稲負鳥が鳴くのと共に今朝吹く風に雁は来たことだなあ。」 「なへに」は接続...
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第百九十段  恋愛主義

妻といふものこそ、男の持つまじきものなれ、「いつも独り住みにて」など聞くこそ、心にくけれ、「誰がしが婿になりぬ」とも、又、「如何なる女を取りすゑて、相住む」など聞きつれば、無下に心おとりせらるるわざなり。「ことなる事なき女をよしと思ひ定めて...
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《雁は使者》

これさたのみこの家の歌合のうた とものり あきかせにはつかりかねそきこゆなるたかたまつさをかけてきつらむ (207) 秋風に初雁が音ぞ聞こゆなる誰が玉梓を掛けて来つらむ 「是貞親王の家の歌合の歌  友則 秋風に初雁の声が聞こえるようだ。誰の...