古典

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《落花が創り出す美》

雲林院にてさくらの花のちりけるを見てよめる  そうく法師 さくらちるはなのところははるなからゆきそふりつつきえかてにする (75) 桜散る花の所は春ながら雪ぞ降りつつ消えがてにする 雲林院:雲林院は、元は淳和天皇の離宮だったが、常康親王に与...
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第六十四段     有職故実の正しい解釈

「車の五緒は、必ず人によらず、ほどにつけてきはむる官(つかさ)・位に至りぬれば、乗るものなり」とぞ、ある人仰せられし。 五緒:(いつつを)牛車の簾の一種。上部に五筋の皮緒を垂らしたもの。また、その牛車。 「『車の五緒は、必ずしも人の身分によ...
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《友と愛でたい桜》

僧正遍昭によみておくりける これたかのみこ さくらはなちらはちらなむちらすとてふるさとひとのきてもみなくに (74) 桜花散らば散らなむ散らずとて古里人の来ても見なくに なむ:願望の終助詞。「・・・ほしい」 「僧正遍昭に詠んでおくった  惟...