古典

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第六十六段    木の枝に雉を付ける時の作法

岡本関白殿、盛りなる紅梅の枝に、鳥一双をそへて、この枝に付けて参らすべきよし、御鷹飼、下毛野武勝に仰せられたりけるに、「花に鳥付くるすべ、知り候はず。一枝に二つ付くる事も、存知候はず」と申しければ、膳部に尋ねられ、人々に問はせ給ひて、又武勝...
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《風の擬人化》

さくらの花のちり侍りけるを見てよみける  そせい法し はなちらすかせのやとりはたれかしるわれにをしへよゆきてうらみむ (76) 花散らす風の宿りは誰か知る我に教えよ行きて恨みむ そせい法し:素性法師。僧正遍昭の子。父の出家により出家させられ...
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第六十五段 冠にも流行あり

この比の冠(かぶり)は、昔よりはるかに高くなりたるなり。古代の冠桶(かぶりをけ)を持ちたる人は、はたを継ぎて、今用ゐるなり。 「近頃の冠は、昔より遥かに高くなっているのだ。古い時代の冠入れを持っている人は、端を継ぎ足して、今用いているのだ。...