山川 信一

古典

古今集 巻四:秋上 《秋は風から》

秋立つ日よめる  藤原敏行朝臣 あききぬとめにはさやかにみえねともかせのおとにそおとろかれぬる (169) 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる 「立秋の日に詠んだ  藤原敏行朝臣 秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風...
古典

第百五十六段  事実の見方

大臣の大饗は、さるべき所を申しうけておこなふ、常の事なり。宇治左大臣殿は、東三条殿にておこなはる。内裏にてありけるを、申されけるによりて、他所へ行幸ありけり。させることのよせなけれども、女院の御所など借り申す、故実なりとぞ。 大臣の大饗:大...
古典

《選手交代》

みな月のつこもりの日よめる みつね なつとあきとゆきかふそらのかよひちはかたへすすしきかせやふくらむ (168) 夏と秋と行き交ふ空の通ひ路は片へ涼しき風や吹くらむ 「六月の月末の日、詠んだ 躬恒 「行く夏と来る秋とがすれ違う空の通路は、今...