2023-05

古典

《技巧と思い》

こしのくにへまかりける人によみてつかはしける 凡河内みつねよそにのみこひやわたらむしらやまのゆきみるへくもあらぬわかみは (383)余所にのみ恋ひや渡らむ白山のゆき見るべくもあらぬ我が身は「北陸の国へ下る人に詠んでやった 凡河内躬恒余所でば...
古典

《甲斐の無い名前》

あひしれりける人のこしのくににまかりて、としへて京にまうてきて又かへりける時によめる 凡河内みつねかへるやまなにそはありてあるかひはきてもとまらぬなにこそありけれ (382)帰る山なにぞはありてある甲斐は来ても留まらぬ名にこそありけれ「親し...
古典

《別れの色》

人をわかれける時によみける つらゆきわかれてふことはいろにもあらなくにこころにしみてわひしかるらむ (381)別れてふ事は色にもあらなくに心に染みて侘しかるらむ「人を見送る時に詠んだ  貫之わかれると言うことは色でもないのにどうして心に染み...