古典 第三十五段 見栄を張ることなかれ 手のわろき人のはばからず文書きちらすはよし。みぐるしとて、人に書かするはうるさし。わろき(し):相対的によくない。⇔あし。よし:絶対的によい。⇔よろし。「字の下手な人が遠慮せず手紙を筆に任せて無造作に書くのはよい。見苦しいと言って、人に書か... 2021.07.21 古典
古典 《社交辞令的和歌》 はつせにまうつることにやとりける人の家にひさしくやとらて、ほとへてのちにいたれりけれは、かの家のあるしかくさたかになむやとりはあるといひいたして侍りけれは、そこにたてりけるむめの花ををりてよめる つらゆきひとはいさこころもしらすふるさとは... 2021.07.20 古典
古典 第三十四段 蘊蓄を傾ける 甲香は、ほら貝のやうなるが、ちひさくて、口のほどの細長にして出でたる貝のふたなり。武蔵国金沢といふ浦に有りしを、所の者は、「へなたりと申し侍る」とぞ言ひし。甲香:(かひかう)貝香とも書く。アカニシの蓋。粉末にして練り香の材料に用いる。「甲香... 2021.07.19 古典