2020-02

古典

ルロイ修道士の手

ふろしき包みを抱えて園長室に入っていったわたしを、ルロイ修道士は机越しに握手で迎えて、「ただいまから、ここがあなたの家です。もう、なんの心配もいりませんよ。」と言ってくれたが、彼の握力は万力よりも強く、しかも腕を勢いよく上下させるものだから...
古典

「天使の十戒」

ルロイ修道士は大きな手を差し出してきた。その手を見て思わず顔をしかめたのは、光が丘天使園の子どもたちの間でささやかれていた「天使の十戒」を頭に浮かべたせいである。中学三年の秋から高校を卒業するまでの三年半、わたしはルロイ修道士が園長を務める...
古典

井上ひさし『握手』

井上ひさしの『握手』を扱います。これは読みやすい小説です。この作品が中学三年の教科書に入っていて、『少年の日の思い出』が中学一年の教科書に入っているのはおかしい。順序が逆です。とは言え、読みやすいからと言って学ぶべきことが少ないというわけで...