古典

《歌合の歌・「春上」の最後の歌》

亭子院歌合の時よめる  伊勢 みるひともなきやまさとのさくらはなほかのちりなむのちそさかまし (68) 見る人も無き山里の桜花他の散りなむ後ぞ咲かまし 亭子院歌合:九一七年、宇多天皇が上皇となって、亭子院においでになって催された。 山里:普...
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第五十八段 出家の勧め

「道心あらば、住む所にしもよらじ。家にあり、人に交わるとも、後世を願はんに難かるべきかは」と言ふは、さらに後世知らぬ人なり。げにはこの世をはかなみ、必ず生死を出でんと思はんに、なにの興ありてか、朝夕君に仕へ、家を顧みる営みのいさましからん。...
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《皮肉に言よせて》

さくらの花のさけりけるを見にまうてきたりける人によみておくりける  みつね わかやとのはなみかてらにくるひとはちりなむのちそこひしかるへき (67) 桜の花の咲けりけるを見に詣で来たりける人に詠みて贈りける 躬恒 我が宿の花見がてらに来る人...