古典

《笠をさす山》

秋のうたとてよめる 在原元方 あめふれとつゆももらしをかさとりのやまはいかてかもみちそめけむ (261) 雨降れどつゆも漏らじを笠取の山はいかでか紅葉染めけむ 「秋の歌と言うことで詠んだ  在原元方 雨が降っても少しも漏らさないだろうに、笠...
古典

第二百四十一段  何のための人生か

望月のまどかなる事は、暫くも住せず、やがて欠けぬ。心とどめぬ人は、一夜の中に、さまで変るさまも見えぬにやあらん。病の重るも、住する隙なくして、死期既に近し。されども、いまだ病急ならず、死に赴かざる程は、常住平生の念に習ひて、生の中に多くの事...
古典

《雨漏りの山》

もる山のほとりにてよめる つらゆき しらつゆもしくれもいたくもるやまはしたはのこらすいろつきにけり (260) 白露も時雨もいたくもる山は下葉残らず色づきにけり 「守山の辺で詠んだ  貫之 白露も時雨もひどく漏る守山は下葉が残らず色付いてし...