古典

《神の領域でさえも》

神のやしろのあたりをまかりける時にいかきのうちのもみちを見てよめる つらゆき ちはやふるかみのいかきにはふくすもあきにはあへすうつろひにけり (262) ちはやぶる神の斎垣に這ふ葛も秋には敢へず移ろひにけり 「神の社の辺りを通った時に玉垣の...
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第二百四十二段  三大欲

とこしなへに違順に使はるる事は、ひとへに苦楽のためなり。楽といふは、好み愛する事なり。これを求むること、やむ時なし。楽欲(ぎょうよく)する所、一には名なり。名に二種あり。行跡と才芸との誉なり。二には色欲、三には味なり。万の願ひ、この三にはし...
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《笠をさす山》

秋のうたとてよめる 在原元方 あめふれとつゆももらしをかさとりのやまはいかてかもみちそめけむ (261) 雨降れどつゆも漏らじを笠取の山はいかでか紅葉染めけむ 「秋の歌と言うことで詠んだ  在原元方 雨が降っても少しも漏らさないだろうに、笠...