古典

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第百一段 ~歌の仕掛~

昔、左兵衛の督(かみ)なりける在原の行平といふありけり。その人の家によき酒ありと聞きて、上にありける左中弁藤原の良近といふをなむ、まらうどざねにて、その日はあるじまうけしたりける。なさけある人にて、かめに花をさせり。その花のなかに、あやしき...
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第百段 ~忘れず忍んでいる~

昔、男、後涼殿のはさまを渡りければ、あるやむごとなき人の御局(みつぼね)より、忘れ草を「忍ぶ草とやいふ」とて、いださせたまへりければ、たまはりて、 忘れ草おふる野辺とは見るらめどこはしのぶなりのちも頼まむ 昔、男が、後涼殿と清涼殿の間の廊下...
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第九十九段 ~的を射る~

昔、右近の馬場のひをりの日、むかひに立てたりける車に、女の顔の、下簾(したすだれ)よりほのかに見えければ、中将なりける男のよみてやりける、 見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめ暮さむ 返し、 しるしらぬ何かあやなくわきていは...