古典

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《霧と天の河》

題しらす よみ人しらす こひこひてあふよはこよひあまのかはきりたちわたりあけすもあらなむ (176) 恋ひ恋ひて逢ふ夜は今宵天の河霧り立ち渡り明けずもあらなむ 「長い間恋い続けて彦星と逢う夜は今夜のみ。天の河は霧が一面にかかり、夜が明けない...
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第百六十三段  細部へのこだわり

太衝の太の字、点うつ、うたずといふ事、陰陽の輩、相論の事ありけり。盛親入道申し侍りしは、「吉平が自筆の占文の裏に書かれたる御記、近衛の関白殿にあり。点うちたるを書きたり」と申しき。 太衝:九月をつかさどるとされる神。転じて、九月。 吉平:陰...
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《ロマンチックな気分》

題しらす  よみ人しらす あまのかはもみちをはしにわたせはやたなはたつめのあきをしもまつ (175) 天河紅葉を橋に渡せばや織女の秋をしも待つ 「天の河では紅葉を橋にして渡すからか。織女が特に秋を待つ。」 「渡せばや」の「ば」は接続助詞で原...