山川 信一

古典

《恋心のスケール》

題しらす つらゆき しきしまのやまとにはあらぬからころもころもへすしてあふよしもかな (697) 敷島の大和にはあらぬ唐衣頃も経ずして逢ふ由もがな 「題知らず 貫之 日本の奈良ではない唐、その唐衣ではないが、頃を経ないで逢う方法があったらな...
古典

《遠距離恋愛》

題しらす よみ人しらす つのくにのなにはおもはすやましろのとはにあひみむことをのみこそ (696) 津の国のなには思はず山城のとはに逢ひ見むことをのみこそ 「題知らず 詠み人知らず」 他には何も思わない。永遠に結ばれることを思うばかりだ。」...
古典

《ただ一度の恋》

題しらす よみ人しらす あなこひしいまもみてしかやまかつのかきほにさけるやまとなてしこ (695) あな恋ひし今も見てしが山がつの垣穂に咲ける大和撫子 「題知らず 詠み人知らず ああ恋しい。今も見たいものだ。樵の家の垣の上に咲いているナデシ...