山川 信一

古典

《花すすきの侘しさ》

題しらす 平貞文 いまよりはうゑてたにみしはなすすきほにいつるあきはわひしかりけり (242)  今よりは植えてだに見じ花すすき穂に出づる秋は侘しかりけり 「今からは庭に植えて見ることもしまい、花すすきを。穂が出て目立つようになる秋は侘しい...
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第二百二十八段  釈迦念仏の起源

千本の釈迦念仏は、文永の比、如輪上人、これを始められけり。 千本:京都市上京区北野天満宮の東北にある地。 釈迦念仏:遺教経を訓読みにして節を付け、終わりに釈迦の名を唱えたもの。 文永:1264年二月から1275年四月までの年号。 如輪上人:...
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《薫香の藤袴》

ふちはかまをよめる そせい ぬししらぬかこそにほへれあきののにたかぬきかけしふちはかまそも  (241) 主知らぬ香こそ匂へれ秋の野に誰が脱ぎ掛けし藤袴ぞも 「藤袴を詠んだ  素性 薫香の主が誰かわからない香りが香っているが、それは秋の野に...