2024-03

古典

《歌の物語性》

題しらす よみ人しらすこひしくはしたにをおもへむらさきのねすりのころもいろにいつなゆめ (652)恋しくば下にを思へ紫の根摺りの衣色に出なゆめ「題知らず 詠み人しらず恋しいならば心の内で思え。顔色に出すな、ゆめゆめ。」「(恋しく)ば」は、接...
古典

《恋の後ろめたさ》

題しらす よみ人しらすよしのかはみつのこころははやくともたきのおとにはたてしとそおもふ (651)吉野川みつの心は速くとも滝の音には立てじとぞ思ふ「題知らず 詠み人知らず吉野川の水のように私の心は激しくても、滝のように音は立てまいと思う。」...
古典

《関係の露見》

題しらす よみ人しらすなとりかはせせのうもれきあらはれはいかにせむとかあひみそめけむ (650)名取川瀬々の埋もれ木現れば如何にせむとか逢ひ見初めけむ「名取川の多くの瀬の埋もれ木が現れたらどうしようと思い情を交わし始めたのだろうかなあ。」「...