2023-12

古典

《朝の寝床》

題しらす そせい法し はかなくてゆめにもひとをみつるよはあしたのとこそおきうかりける (575) 儚くて夢にも人を見つる夜は朝の床ぞ起き憂かりける 「題知らず 素性法師 束の間夢にも人を見てしまった夜は朝の寝床が起きづらいことだなあ。」 「...
古典

《表現の匙加減》

題しらす 紀つらゆき ゆめちにもつゆやおくらむよもすからかよへるそてのひちてかわかぬ (574) 夢路にも露や置くらむ終夜通へる袖の漬ちて乾かぬ 「題知らず 紀貫之 夢路にも露が置いているのだろうか。夜通し通っている袖が濡れて乾かないことだ...
古典

《人生と恋》

題しらす 紀つらゆき よとともになかれてそゆくなみたかはふゆもこほらぬみなわなりけり (573) 世と共に流れてぞ行く涙河冬も凍らぬ水泡なりけり 「題知らず 紀貫之 世と共に流れて行く。涙河は冬も凍らない水疱であったなあ。」 「ぞ行く」の「...