2023-11

古典

《片恋の心理》

題しらす 読人しらす こころかへするものにもかかたこひはくるしきものとひとにしらせむ (540) 心替えするものにもが片恋は苦しきものと人に知らせむ 「心は替えられるものであってほしい。片恋は苦しいものと人に知らせよう。」 「(もの)にもが...
古典

《山彦でさえも》

題しらす 読人しらす うちわひてよははむこゑにやまひこのこたへぬやまはあらしとそおもふ (539) 打ち侘びて呼ばはむ声に山彦の応へぬ山はあらじとぞ思ふ 「思い悩んで呼び続ければその声に山彦も応えないはずがないと思う。」 「(呼ばは)む」は...
古典

《隠された真実》

題しらす 読人しらす うきくさのうへはしけれるふちなれやふかきこころをしるひとのなき (538) 浮き草の上は繁れる淵なれや深き心を知る人の無き 「私は浮き草が上には繁っている淵であろうか。私の深い心を知る人が無いことだ。」 「繁れる」の「...