2023-07

古典

《秋の散策》

をみなへし とものり あさつゆをわけそほちつつはなみむといまそのやまをみなへしりぬる (438) 朝露を分け濡ちつつ花見むと今その山を皆経知りぬる 「朝露を分け濡れながら花を見ようと今その山をすっかり歩き知ってしまった。」 「そぼちつつ」の...
古典

《秋の雨上がりの朝》

をみなへし  とものり しらつゆをたまにぬくとやささかにのはなにもはにもいとをみなへし (437) 白露を玉に抜くとや細蟹の花にも葉にも糸を皆綜し 「白露を玉として抜くと蜘蛛が花にも葉にも糸を皆掛けたのか。」 「抜くとや」は、「綜し」に掛か...
古典

《言外の意》

さうひ つらゆき われはけさうひにそみつるはなのいろをあたなるものといふへかりけり (436) 我は今朝初にぞ見つる花の色を徒なる物と言ふべかりけり 「私は今朝初めて見た。その花の色を移ろいやすいものと言うべきであったなあ。」 「初にぞ」の...