2023-07

古典

《名より実》

けにこし 矢田部の名実(なざね) うちつけにこしとやはなのいろをみむおくしらつゆのそむるはかりを (444) うちつけに濃しとや花の色を見む置く白露の染むるばかりを 「にわかに濃いと花の色を見ようか。置く白露が染めているだけだよ。」 「うち...
古典

《無常観》

をはな よみ人しらす ありとみてたのむそかたきうつせみのよをはなしとやおもひなしてむ (443) 有りと見て頼むぞ難き空蝉の世をば無しとや思ひなしてむ 「有ると見て頼りにするのは難しい。現世を無いと決めてしまおうか。」 「(頼む)ぞ」は、係...
古典

《鳥の害》

りうたむのはな とものり わかやとのはなふみしたくとりうたむのはなけれはやここにしもくる (442) 我が宿の花踏みしだく鳥打たむ野花無ければやここにしも来る 「我が家の花を踏み散らす鳥を打とう。野花無いのでここに殊更やって来るのか。」 「...