2023-07

古典

《初夏の嘆き》

やまし 平あつゆき(篤行) ほとときすみねのくもにやましりにしありとはきけとみるよしもなき (447) 郭公峰の雲にや交じりにしありとは聞けど見る由も無き 「ホトトギスが雲に交じってしまったのか。いるとは聞くけれど見る方法も無いなあ。」 「...
古典

《麓の晩春》

しのふくさ きのとしさた(紀利貞) やまたかみつねにあらしのふくさとはにほひもあへすはなそちりける (446) 山高み常に嵐の吹く里は匂ひも敢へず花ぞ散りける 「山が高いので、常に嵐が吹く里は、咲き匂いきれないで花が散ったなあ。」 「高み」...
古典

《願望を込める》

二条の后春宮のみやすん所と申しける時に、めとにけつり花させりけるをよませたまひける 文屋やすひて はなのきにあらさらめともさきにけりふりにしこのみなるときもかな (445) 花の木にあらざらめども咲きにけりふりにしこのみなる時もがな 「二条...