2023-07

古典

《刹那の喜び》

くたに  僧正へんせう ちりぬれはのちはあくたになるはなをおもひしらすもまとふてふかな (435) 散りぬれば後は芥になる花を思ひ知らずも惑ふ蝶かな 「散ってしまうと後は塵になる花を思い知らずも惑う蝶だなあ。」 「(散り)ぬれば」の「ぬれ」...
古典

《男の言い訳》

あふひ、かつら よみ人しらす ひとめゆゑのちにあふひのはるけくはわかつらきにやおもひなされむ (434) 人目ゆゑ後に逢ふ日の遙けくは我が辛きにや思ひなされむ 「人目から後で逢う日が遠のくことは私の薄情さに思いなされるのだろうか。」 「遙け...
古典

《薄情さを詰る》

×××、××× よみ人しらす かくはかりあふひのまれになるひとをいかかつらしとおもはさるへき (433) かくばかり逢ふ日の稀になる人をいかが辛しと思はざるべき 「これ程逢う日が稀になる人をどうして薄情と思わないだろうか。」 「いかが」は、...