2023-07

古典

《琴の音》

からことといふ所にて春のたちける日よめる 安倍清行朝臣 なみのおとのけさからことにきこゆるははるのしらへやあらたまるらむ (456) 浪の音の今朝から違って聞こゆるは春の調べや改るらむ 「からことという所で立春の日詠んだ 安倍清行朝臣 波の...
古典

《人生の実相》

なし、なつめ、くるみ  兵衛 あちきなしなけきなつめそうきことにあひくるみをはすてぬものから (455) 味気なし嘆きな詰めそ憂き事に遭ひ来る身をば棄てぬものから 「無益だ。嘆き詰めるな。つらい目に遭って生きる身を棄てないものの。」 「味気...
古典

《物名の作り方》

ささ、まつ、ひは、はせをは  きのめのと(紀乳母) いささめにときまつまにそひはへぬるこころはせをはひとにみえつつ (454) いささめに時待つ間にぞ日は経ぬる心ばせをば人に見えつつ 「かりそめに時を待つ間に日は経ってしまった。気持ちを人に...