2023-05

古典

《別れを楽しむ》

今はこれよりかへりねとさねかいひけるをりによみける 藤原かねもちしたはれてきにしこころのみにしあれはかへるさまにはみちもしられす (389)慕はれて来にし心の身にしあれは帰るさまには道も知られず「さあこれから帰ってくださいと實が言った折に詠...
古典

《見送る人への挨拶》

山さきより神なひのもりまておくりに人人まかりて、かへりかてにしてわかれをしみけるによめる 源さねひとやりのみちならなくにおほかたはいきうしといひていさかへりなむ (388)人やりの道ならなくにおほかたは行き憂しと言ひていざ帰りなむ「山崎から...
古典

《筑紫への旅の別れ》

源のさねかつくしへゆあみむとてまかりけるに、山さきにてわかれをしみける所にてよめる しろめいのちたにこころにかなふものならはなにかわかれのかなしからまし (387)命だに心に適ふ物ならば何か別の悲しからまし「源實が筑紫へ温泉に浸かろうと言っ...