2023-02

古典

《冬の旧都》

ならの京にまかれりける時にやとれりける所にてよめる 坂上これのり みよしののやまのしらゆきつもるらしふるさとさむくなりまさるなり (325) み吉野の山の白雪積もるらし古里寒くなり勝るなり 「奈良の都の行った時に宿をとったところで詠んだ  ...
古典

《ひと時の幻》

しがの山越えにてよめる  紀あきみね しらゆきのところもわかすふりしけはいはほにもさくはなとこそみれ (324) 白雪の所も分かず降り敷けば巌にも咲く花とこそ見れ 「滋賀の山越えで詠んだ  紀秋岑 白雪が場所も区別せず降りしきるので、大きな...
古典

《冬の味わい方》

冬のうたとて 紀貫之 ゆきふれはふゆこもりせるくさもきもはるにしられぬはなそさきける (323) 雪降れば冬籠もりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける 「冬の歌として  紀貫之 雪が降ると冬籠もりしている草も木も春には知ることができない花が...