2023-01

古典

《落葉の侘しさ》

うりむゐんの木のかけにたたすみてよみける 僧正へんせう わひひとのわきてたちよるこのもとはたのむかけなくもみちちりけり (292) 侘び人の分きて立ち寄る木の本は頼む陰無く紅葉散りけり 「雲林院の木の陰に佇みて詠みける  僧正遍昭 侘び人が...
古典

《空想と慰め》

題しらす せきを しものたてつゆのぬきこそよわからしやまのにしきのおれはかつちる (291) 霜のたて露のぬきこそ弱からし山の錦の織ればかつ散る 「題知らず 藤原關雄 霜の縦糸と露の横糸が弱いらしい。山の錦が織ればそのそばから散る。」 「こ...
古典

《風の色》

題しらす よみ人しらす ふくかせのいろのちくさにみえつるはあきのこのはのちれはなりけり (290) 吹く風の色の千種に見えつるは秋の木の葉の散ればなりけり 「吹く風の色がいろいろに見えてしまうのは、秋の木の葉が散ったからであったよ。」 「見...