古典 第百九十五段 久我内大臣の奇行 或人久我縄手を通りけるに、小袖に大口着たる人、木造りの地蔵を田の中の水におし浸して、ねんごろに洗いけり。心得難く見るほどに、狩衣の男二人三人出できて、「ここにおはしましけり」とて、この人を具して去にけり。久我内大臣殿にてぞおはしける。尋常に... 2022.08.22 古典
古典 《秋の夜の幻想》 寛平御時きさいの宮の歌合のうた 藤原菅根朝臣 あきかせにこゑをほにあけてくるふねはあまのとわたるかりにそありける (212) 秋風に声をほに上げて来る舟は天の門渡る雁にぞありける 藤原菅根朝臣 「宇多天皇の御代皇后温子様の歌合わせの歌 ... 2022.08.20 古典
古典 第百九十四段 達人の洞察力 達人の人を見る眼は、少しもあやまる所あるべからず。たとへば、或人の、世に虚言をかまへ出して人をはかる事あらんに、すなほにまことと思ひて、言ふままにはからるる人あり。あまりに深く信をおこして、なほわづらはしく虚言を心得添ふる人あり。又、何とし... 2022.08.19 古典