2022-06

古典

《哀しみを誘う紅葉》

題しらす よみ人しらす ものことにあきそかなしきもみちつつうつろひゆくをかきりとおもへは (187) もの毎に秋ぞ悲しきもみぢつつ移ろひ行くを限りと思へば 「もの毎に秋が悲しいことだ。木の葉が色を変わりながら散っていくのをこれで最後と思うの...
古典

第百七十四段  大につくべし

小鷹によき犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹にわろくなるといふ。大につき小を捨つる理、誠にしかなり。人事多かる中に、道を楽しぶより気味深きはなし。これ、実の大事なり。一たび道を聞きて、これに志さん人、いづれのわざかすたれざらん。何事をか営まん。愚か...
古典

《悲しき虫の音》

題しらす よみ人しらす わかためにくるあきにしもあらなくにむしのねきけはまつそかなしき (186) 我がために来る秋にしもあらなくに虫の音聞けばまづぞかなしき 「私のために殊更来る秋ではないのに、虫の音を聞くと、まず悲しくなることだ。」 「...