2022-06

古典

《秋の夜の素晴らしさ》

かむなりのつほに人人あつまりて秋のよをしむ歌よみけるついてによめる みつね かくはかりをしとおもふよをいたつらにねてあかすらむひとさへそうき (190) 雷の壺に人々集まりて秋の夜惜しむ歌詠みけるついでに詠める  躬恒 かくばかり惜しと思ふ...
古典

第百七十五段  酒は百害の元

かかる事をしても、この世も後の世も益有るべきわざならば、いかがはせん。この世にはあやまち多く、財を失ひ、病をまうく。百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそおこれ。憂忘るといへど、酔ひたる人ぞ、過ぎにし憂さをも思ひ出でて泣くめる。後の世の人は...
古典

《物思いの季節》

これさたのみこの家の歌合のうた よみ人しらす いつはとはときはわかねとあきのよそものおもふことのかきりなりける (189) いつはとは時は分かねど秋の夜ぞ物思ふことの限りなりける 「いつはとは時は区別しないけれど、秋こそが物思うことの最たる...