古典 《秋の短夜》 寛平御時、なぬかの夜うへにさふらふをのことも歌たてまつれとおほせられける時に、人にかはりてよめる とものり あまのかはあさせしらなみたとりつつわたりはてねはあけそしにける (177) 天の河浅瀬白浪辿りつつ渡り果てねば明けぞしにける 「宇多... 2022.05.31 古典
古典 第百六十四段 無駄話の効用 世の人あひ逢ふ時、暫くも黙止する事なし。必ず言葉あり。その事を聞くに、多くは無益の談なり。世間の浮説、人の是非、自他のために失多く、得少なし。これを語る時、互ひの心に無益の事なりといふ事を知らず。 「世の中の人は、人に対面する時、少しの間も... 2022.05.30 古典
古典 《霧と天の河》 題しらす よみ人しらす こひこひてあふよはこよひあまのかはきりたちわたりあけすもあらなむ (176) 恋ひ恋ひて逢ふ夜は今宵天の河霧り立ち渡り明けずもあらなむ 「長い間恋い続けて彦星と逢う夜は今夜のみ。天の河は霧が一面にかかり、夜が明けない... 2022.05.28 古典