古典 第百二十五段 感情の不確かさ 人におくれて、四十九日の仏事に、ある聖を請じ侍りしに、説法いみじくして、皆人、涙をながしけり。導士帰りて後、聴聞の人ども、「いつよりも、殊に今日は尊く覚侍りつる」と感じあへりし返事に、ある者の言はく、「何とも候へ、あれほど唐の狗に似候ひなん... 2022.02.28 古典
古典 《はやる思い》 題しらす よみ人しらす さつきまつやまほとときすうちはふきいまもなかなむこそのふるこゑ (137) 五月待つ山郭公うち羽振き今も鳴かなむ去年の古る声 「五月を待つ山郭公よ。羽を打ち振って、今でも鳴いて欲しい。去年の古い声で。」 「山郭公」で... 2022.02.26 古典
古典 第百二十四段 理想的な人物 是法法師は、浄土宗に恥ぢずといへども、学匠を立てず、ただ明暮念仏して、やすらかに世を過ぐすありさま、いとあらまほし。 是法法師:兼好と同時代の人で、勅撰集にその歌がある。 学匠:仏道を修めて師匠の資格を持つ者。 「是法法師は、浄土宗に於いて... 2022.02.25 古典