2022-01

古典

第百七段   兼好の女性観

女の物言ひかけたる返事、とりあへずよきほどにする男は、ありがたきものぞとて、亀山院の御時、しれたる女房ども、若き男達の参らるる毎に、「郭公や聞き給へる」と問ひて、ここみられけるに、何がしの大納言とかやは、「数ならぬ身は、え聞き候はず」と答へ...
古典

《藤の花の魅力》

しかよりかへりけるをうなともの花山にいりてふちの花のもとにたちよりてかへりけるに、よみておくりける 僧正遍昭 よそにみてかへらむひとにふちのはなはひまつはれよえたはをるとも (119) 余所に見て帰らむ人に藤の花這ひまつわれよ枝は折るとも ...
古典

第百六段    上人の品格

高野の証空上人、京へのぼりけるに、細道にて、馬に乗りたる女の行きあひたりけるが、口ひきける男、あしくひきて、聖の馬を堀へおとしてげり。聖いと腹悪しくとがめて、「こは希有の狼藉かな。四部の弟子はよな、比丘よりは比丘尼はおとり、比丘尼より優婆塞...