古典 第六十五段 ~その二 恋の病~ かくかたはにしつつありわたるに、身もいたづらになりぬべければ、つひに亡びぬべしとて、この男、「いかにせむ、わがかかる心やめたまへ」と仏神にも申しけれど、いやまさりにのみおぼえつつ、なほわりなく恋しうのみおぼえければ、陰陽師、神巫(かむなぎ)... 2019.07.21 古典
古典 第六十五段 ~その一 少年の恋~ 昔、おほやけ思してつかうたまふ女の、色ゆるされたるありけり。大御息所とていますがりけるいとこなりけり。殿上にさぶらひける在原なりける男の、まだいと若かりけるを、この女あひしりたりけり。男、女がたゆるされたりければ、女のある所に来てむかひをり... 2019.07.20 古典
古典 第六十四段 ~逢わぬ恋~ 昔、男、みそかに語らふわざもせざりければ、いづくなりけむ、あやしさによめる、 吹く風にわが身をなさば玉すだれひま求めつつ入るべきものを返し、 とりとめぬ風にはありとも玉すだれたが許さばかひま求むべき 昔、男が、こっそり二人きりで(「みそか... 2019.07.19 古典