古典

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《藤の花の魅力》

しかよりかへりけるをうなともの花山にいりてふちの花のもとにたちよりてかへりけるに、よみておくりける 僧正遍昭 よそにみてかへらむひとにふちのはなはひまつはれよえたはをるとも (119) 余所に見て帰らむ人に藤の花這ひまつわれよ枝は折るとも ...
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第百六段    上人の品格

高野の証空上人、京へのぼりけるに、細道にて、馬に乗りたる女の行きあひたりけるが、口ひきける男、あしくひきて、聖の馬を堀へおとしてげり。聖いと腹悪しくとがめて、「こは希有の狼藉かな。四部の弟子はよな、比丘よりは比丘尼はおとり、比丘尼より優婆塞...
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《想像の桜》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた つらゆき ふくかせとたにのみつとしなかりせはみやまかくれのはなをみましや  (118) 吹く風と谷の水とし無かりせば深山隠れの花を見ましや 「もし吹く風と谷川の水が無かったら、山奥に隠れて人目につかない桜を見...