古典 第四段 その二 ~身分違いの悲恋~ あり所は聞けど、人のいき通ふべき所にもあらざりければ、なほ憂しと思ひつつなむありける。またの年の正月に、梅の花ざかりに、去年を恋ひていきて、立ちて見、ゐて見、見れど、去年に似るべくもあらず。うち泣きて、あばらなる板敷に、月のかたぶくまでふせ... 2019.05.03 古典
古典 第四段 その一 昔、東の五条におほきさいの宮おはしましける西の対にすむ人ありけり。それを、本意にはあらで、心ざしふかかりける人、ゆきとぶらひけるを、正月の十日ばかりのほどに、ほかにかくれにけり。あり所は聞けど、人のいき通ふべき所にもあらざりければ、なほ憂し... 2019.05.02 古典
古典 「けり」の意味 ~確認~ 「男ありけり」などの「けり」はその動作が過去のものであることを表す。たとえば、「男ありけり」なら、男がいることが過去のことであることを表す。つまり、「けり」は過去の助動詞である。 ただし、話し手はこの動作を実際に経験していない。ただ、それ... 2019.05.01 古典