古典 第四十七段 ~恋の駆け引き~ 昔、男、ねむごろに、いかでと思ふ女ありけり。されどこの男を、あだなりと聞きて、つれなさのみまさりつついへる。 大幣の引く手あまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ返し、男、 大幣と名にこそ立てれ流れてもつひによる瀬はありといふものを 男... 2019.07.02 古典
古典 第四十六段 ~親友~ 昔、男、いとうるはしき友ありけり。片時避らずあひ思ひけるを、人の国へいきけるを、いとあはれと思ひて、別れにけり。月日経ておこせたる文に、「あさましく、対面せで、月日の経にけること。忘れやしたまひにけむと、いたく思ひわびてなむはべる。世の中の... 2019.07.01 古典
古典 第四十五段 ~うぶな娘の恋~ 昔、男ありけり。人のむすめのかしづく、いかでこの男にものいはむと思ひけり。うちいでむことかたくやありけむ、もの病みになりて、死ぬべき時に、「かくこそ思ひしか」といひけるを、親、聞きつけて、泣く泣くつげたりければ、まどひ来たりけれど、死にけれ... 2019.06.30 古典