古典

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《春の戸惑い》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた つらゆき はるののにわかなつまむとこしものをちりかふはなにみちはまとひぬ (116) 春の野に若菜摘まむと来しものを散り交ふ花に道は惑ひぬ 「春の野に若菜を摘もうと来たのに、散り乱れる花の有様に、道は思い悩ん...
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第百三段  忠守が怒った理由

大覚寺殿にて、近習の人ども、なぞなぞを作りて解かれける処へ、医師忠守参りたりけるに、侍従大納言公明卿、「我が朝の者とも見えぬ忠守かな」と、なぞなぞにせらけにけるを、「からへいじ」と解きて笑ひあはれければ、腹立ちて退(まか)り出でにけり。 大...
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《ダブルイメージ》

しかの山こえに女のおほくあへりけるによみてつかはしける つらゆき あつさゆみはるのやまへをこえくれはみちもさりあへすはなそちりける (115) 梓弓春の山辺を越え来れば道も避り敢へず花ぞ散りける 「滋賀の山越えに女が多く私に出会ったのに詠ん...