山川 信一

古典

《最高権力者の死》

河原のおほいまうちきみの身まかりての秋、かの家のほとりをまかりけるに、もみちのいろまたふかくもならさりけるを見てかの家によみていれたりける 近院の右のおほいまうちきみ うちつけさひしくもあるかもみちはもぬしなきやとはいろなかりけり (848...
古典

《諒闇の翌年》

ふかくさのみかとの御時に蔵人頭にてよるひるなれつかうまつりけるを、諒闇になりにけれは、さらに世にもましらすしてひえの山にのほりてかしらおろしてけり、その又のとしみなひと御ふくぬきて、あるはかうふりたまはりなとよろこひけるをききてよめる 僧正...
古典

《天皇の御命日》

深草のみかとの御国忌の日よめる 文屋やすひて くさふかきかすみのたににかけかくしてるひのくれしけふにやはあらぬ (846) 草深き霞の谷に影隠し照る日の暗れし今日にやはあらぬ 「深草の天皇の御命日に詠んだ 文屋康秀 草深い霞の谷に影を隠し照...