山川 信一

古典

《天皇の恋》

題しらす よみ人しらす(この歌は、ある人、あめのみかとのあふみのうねめにたまひけるとなむ申す) あつさゆみひきののつつらすゑつひにわかおもふひとにことのしけけむ (702) 梓弓ひき野の葛末遂に我が思ふ人に言の繁けむ 「題知らず 詠み人知ら...
古典

《神にも負けず》

題しらす よみ人しらす あまのはらふみととろかしなるかみもおもふなかをはさくるものかは (701) 天の原踏み轟かし鳴る神も思ふ仲をば裂くるものかは 「題知らず 詠み人知らず 大空を踏み轟かす雷も思う二人の仲を引き裂くものだろうか。」 「も...
古典

《慰め合う》

題しらす よみ人しらす かくこひむものとはわれもおもひにきこころのうらそまさしかりける (700) かく恋ひむものとは我も思ひにき心の占ぞ正しかりける 「題知らず 詠み人知らず このように恋するだろうとは私も思っていた。予感は正しかったなあ...