山川 信一

古典

《涙雨》

藤原敏行朝臣のなりひらの朝臣の家なりける女をあひしりてふみつかはせりけることはに、いままうてく、あめのふりけるをなむ見わつらひ侍るといへりけるをききて、かの女にかはりてよめりける 在原業平朝臣 かすかすにおもひおもはすとひかたみみをしるあめ...
古典

《女官との恋》

題しらす よみ人しらす さとひとのことはなつののしけくともかれゆくきみにあはさらめやは (704) 里人の言は夏野の繁くとも離れ行く君に逢はざらめやは 「題知らず 詠み人知らず 里人の噂は夏野の草が繁るように広まっても、遠退いて行く君に逢わ...
古典

《愛による禁止》

題しらす よみ人しらす(この歌は、返しによみてたてまつりけるとなむ) なつひきのてひきのいとをくりかへしこしとけくともたえむとおもふな (703) 夏びきの手挽きの糸を繰り返し言繁くとも絶えむと思ふな 「題知らず 詠み人知らず(この歌は、返...