山川 信一

古典

《男の心配》

題しらす 素性法師 あきかせにやまのこのはのうつろへはひとのこころもいかかとそおもふ (714) 秋風に山の木の葉の移ろへば人の心もいかがとぞ思ふ 「題知らず 素性法師 秋風に山の木の葉が変化するので、あなたの心もどうかと思うのだ。」 「(...
古典

《泣き落とし》

題しらす よみ人しらす いつはりとおもふものからいまさらにたかまことをかわれはたのまむ (713) 偽りと思ふものから今さらに誰が誠をか我は頼まむ 「題知らず 詠み人知らず 嘘だと思うけれども、今となっては誰の真実を私は頼りにしようか。」 ...
古典

《仮定法で語る》

題しらす よみ人しらす いつはりのなきよなりせはいかはかりひとのことのはうれしからまし(712) 偽りの無き世なりせばいかばかり人の言の葉嬉しからまし 「題知らず 詠み人知らず 嘘の無い世の中であるなら、どれほどあなたの言葉が嬉しいだろう。...