山川 信一

古典

《いい思い出に》

題しらす よみ人しらす くれなゐのはつはなそめのいろふかくおもひしこころわれわすれめや (723) 紅の初花染めの色深く思ひし心我忘らめや 「題知らず 詠み人知らず 紅の初花染めの色のように深く思った心を私が忘れるだろうか。」 「紅の初花染...
古典

《嫌味》

題しらす そせい法し そこひなきふちやはさわくやまかはのあさきせにこそあたなみはたて (722) 底ひ無き淵やは騒ぐ山川の浅き瀬にこそあだなみは立て 「題知らず 素性法師 奥底の無い淵は騒ぐか。谷川の浅い瀬に無駄な波が立つのだが・・・。」 ...
古典

《恋の後始末》

題しらす よみ人しらす よとかはのよとむとひとはみるらめとなかれてふかきこころあるものを (721) 淀川の淀むと人は見るらめどなかれて深き心あるものを 「題知らず 詠み人知らず 淀川が淀むとあなたは見ているだろうが、泣かれて流れる深い心が...